阿佐谷 神明宮 東日本大震災チャリティ能
本文へジャンプ2011年 4月16日

 東日本大震災チャリティ能
 あらすじ


今回の演目のあらすじです。



     

狂言「 附子」

 スイーツ文化華やかなりし現代ですが、少し前まで甘いものは
大変貴重でした。
お供を連れずに出かける事になった主人、
留守を預ける太郎冠者と次郎冠者が心配です。
そこで、二人を呼び出して、言いました。
 「我が家に附子という毒をいれた壷があるが、
  この毒は強力で風にのっても威力があるから、
  私の留守中、とにかく近づかないように」
人間、そういわれれば逆に見たくなるもの。
ご主人が出かけたところで、怖いものみたさに、
太郎冠者は次郎冠者を巻き込んでそろそろ近づこうとします。
さあて、どうなることか・・・?

  

能「羽衣」

 場所は静岡、三保の松原。
ある晴れた日に静かな海岸を漁夫の白龍が歩いていると、
空からちらほらと美しい花と音楽が降ってきて
あたりにいい香が漂ってきました。
あれ?と思ったところに、一本の松に今まで見たこともない美しい布が
かかっています。


 「これはすばらしい!もって帰って家宝にしよう」
美しい布を手にとって立ち去ろうとすると、
 「ちょっと待ってください。その布は私のです。
  天人の羽衣ですから人間にお渡しできるものではありません。
  どうぞ返してください。」 
と、美しい天人が現れます。
 「天人の衣?ならばなおさらの事、国宝にすべきもの。

  衣はお返しできません。」
と白龍が言うと、
 「なんてこと。その衣がないと私は天上に帰ることができません。
  どうぞお願いですから、返してください。」
と天人は重ねて懇願します。
それでも白龍は返そうとしません。
あまりの事に天人ががっかりしていると、その様子をみた白龍は
 「そんなに悲しむのはかわいそう。衣はお返ししましょう。
  でも、その前に、天人の舞楽はとてもすばらしいと聞いたことがあります。
  それを見せてください。」
と声をかけます。
それを聞いて、天人は
 「嬉しい。おかげで天上に帰れます。
  早速に舞いますが、それにはその衣が必要です。
  まず、その衣を返してください。」
と答えます。
 「え?この衣を先に返すと、舞わずにそのまま天上に帰ってしまうという事は
  ありませんか?」
と白龍が戸惑うと、天人は答えます。
 「そういう事は人の間の事でしょう。天人は偽りはいいません。」
そこで白龍は
 「恥ずかしい。どうぞ。お返しします。」
と衣を渡します。

衣を受け取った天人は早速まとって、舞い始めます。
そしてそのまま、徐々に高く天上へと上って帰っていくのでした。

  

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